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2016/03/30

 昔から、何故か男の子とばかりケンカをする。女の子とケンカをしたことはほとんど無い。大学生のころ、例によって男の子と悪意をお互いひた隠しにした、冷戦のような言葉の応酬をした際に「思考を止めてはいけません」という言葉をもらった。それに対して私は「至言、どうもありがとう」という、とんでもなく程度の低い嫌味で返してしまったのだが、今でも彼の言葉を思い出しては心に刺さる。

 ケンカの際に浴びせられた言葉を集めて綴ったノートが一つくらい存在しても良いはずだ。むしろどうして今まで作らなかったのだろう。そこにはきっと私に足りないことがたくさん書かれていて、私はそれを過ぎ去った過去のように扱い、ずっとずっと宝物にする。

 

 久しぶりに会った友人が、質問をしたときに嬉しそうな顔で「なんでだと思う?」と答えてくれるのがすごく良かった。話しながら、「どうして、って尋ねてばかりだね」と頭の中に浮かんだけれど、私は訊くのをやめなかった。知識を取り入れることもまあそうだけれど、相手が嬉しそうな顔をして教えてくれるのが、自分の無知や思慮の浅さを突き付けられる恥ずかしさにずっとずっと優るからだ。

 

 夏の日は虹色に乱反射する光と風を部屋に取り入れたくて、冬の日はにじむ光と突き刺す冷気を部屋に取り入れたくて、室温をあまり気にせず窓を開ける。そして今春、私は風邪をひいた。いつも人に声を指摘されてから自分が風邪をひいていることに気が付く。